HIKE VENTUERS, LLC

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[Hike VC News]AIトラックブローカーへ投資/Amazon Alexa次のステージへ/犬を使ったAI学習/雑音の中から聞きたい人の声だけを抜き取る


Hike Ventures (ハイクベンチャーズ) News Letterのバックナンバーです。
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Hike Ventures News Letter Vol.19 (5/1)

 当ファンドから3社目となるFleet Ops (フリート・オプス)へ投資を実行しました。Fleet Opsは、カナダのトロントに本社を置くスタートアップで、Hike VCからカナダのスタートアップへの最初の投資となります。

 米国・カナダも日本と同じくブローカー(日本の貨物利用運送事業者、いわゆる水屋さん)が、荷物とドライバーのマッチングをしてきました。ブローカーは、いくつもの運送業社やドライバーに電話等で連絡をとり、なんとかトラックを確保するのですが、非常に非効率でした。そこで、数年前からドライバーを探している荷物をリストアップした’Load Board’アプリがいくつか登場し、ドライバーも荷主もお互いを見つけやすくなりました。

 FleetOpsは、さらに一歩進んで、ドライバーの運行を過去データからAIを使って予測し、今積んでいる荷物の配達が終わった後に、例えば帰り道に運べる荷物を探してきてドライバーに提案します。しかも、いくつもある選択肢のうち、ドライバーにとってマイルあたりの売上が最大化される荷物をお勧めします。例えば、A市からB市へ荷物を運んだ後に、B市からA市への帰り道に荷物を1つだけ運ぶよりも、B市からC市へ1つ荷物を運んで、その後C市からA市へ別の荷物を積んで帰ったほうがより稼げる可能性もあります。Load Boardの荷物リストを見ながらドライバー自身で毎回そんな計算するのは至難の技ですが、Fleet Opsが代わりにやってくれます。

 また、幾つかの業界動向がFleet Opsの成長を後押ししています。1つは、2017年12月から米国においてトラックへのELD (Electronic Logging Device: )の搭載が義務化され、これまで紙でやっていた運転時間管理が、トラックに取り付けたデバイスにより厳密に記録されるようになりました。これにより、ドライバの稼働時間不足が懸念されています(これまでは連続運転時間や必要休憩時間が厳密に守られていなかったと考えられるため)。ドライバは、貴重な運転時間内は、できるだけ空状態の走行を減らしたい考えています。さらに、最近のELDはオンラインで随時運行状況を本部に知らせており、荷物やトラックの運行情報のデジタル化が一気に進んでいます。

 Fleet Opsは、ELDベンダーやLoad Boardとデータ取得のパートナーシップを組み、トラックと荷物のマッチングサービスを提供し、ドライバーの収益最大化と効率的な運送業に貢献していきます!!


【トピック】

ボイスファースト

AmazonがAlexa関連のニュース:

  • Alexaスキルを簡単に作れるツール”Alexa Blueprints”の提供を開始。これによりユーザはプログラミングの知識がなくても簡単にボイスアプリを作れるようになります。AdobeもSayspringを買収し、同市場に参入しています。AIの進化とアプリ開発のシンプルさ、直感的な呼び出し方法などにより、ボイスプラットホームは、これまでのプラットホームよりも一般ユーザによる自分用アプリの開発が進むと思われます。

    AlexaブログでAlexa Brainの指揮をとるRuhi Sarikayaが以下の3つの機能を発表

    1. Skills Arbitration:
      ユーザの質問に対して適切なサードパーティスキルを自動で引っ張ってくる。例えば、ユーザ:”アレクサ、シャツについた油をどうやって落としたらいい?”

      アレクサ:”Tideのシミ取りスキルによると。。。” (洗剤メーカーTideが出しているスキルを自動で引用)という感じになりユーザは、これまでのように必要なスキルを探して呼び出さなくてもよい。
       

    2. Context Carryover:
      会話のコンテクストを理解
      ユーザ:”今日のポートランドの天気は?”
      アレクサ:天気を回答
      ユーザ:”そこにいくのにどれくらい時間がかかる?” (アレクサは、現在ユーザとポートランドについて話していることを理解している)
       

    3. Memory:
      誕生日などのイベントを記憶する。
      特にSkill ArbitrationとContext Carryoverは、Alexaの使い勝手を飛躍的に高めることになると思われます。

リサーチ

  • Googleの研究者がノイズの多い環境で、特定の人の声だけを披露技術を開発。
    ビデオの中で人を選ぶとその人の声だけを聞き取れる。(ビデオ付き解説文
     
  • ワシントン大学とAllen Instituteが犬を使ったAI学習にチャレンジ
    GoProで犬が見ているものをキャプチャし、同時に犬の関節の動きをセンサーで取得。それにより、犬が”今目の前に見えている表面は、歩くことができる”と判断したかといったデータを得ることに成功。このモデルは、移動式ロボットに使える可能性がある


【調達ニュース】

HR

  • Eightfold.ai (Mountain View, CA) Series B $18M
    Workday, SuccessFactors等の人事システムと社内のコミュニケーションの履歴から社内の人材ネットワークを構築し、オープンなポジションに対する理想の候補者を社内外から探す手助けをする。すでに100以上の企業で利用されており、採用スピードを80%向上、候補者のフィット度を5倍上げた実績がある。
    Foundation Capital, Lightspeed Venture Partnersから調達
     

  • Wonolo (San Francisco, CA) Series B $13M
    テンプスタッフのオンラインマーケットプレイス。機械学習を利用してマッチング精度の向上やテンプスタッフの登録のコンバージョンを上げたり、欠勤を予測(精度80%以上)したりしている。
    Sequoia Capital, Base10, PivotNorth, CrunchFundから調達

フィンテック

  • Tala (Santa Monica, CA) Series C $50M
    スマートフォンから取得可能なデータを利用して与信モデルを構築。与信データを持っていないユーザが多く存在する発展途上国においてローン事業を展開している。ケニア、タンザニア、ナイジェリア、フィリピン、メキシコ等でサービスを運営中。
    Revolution Growth, IVP, Data Collective, Lowercase Capital, Ribbit Capital, Female Founders Fundから調達
     
  • Clark (Berlin, Germany) Series B $29M
    保険代理店業をスマホアプリ上のロボアドバイザーで行う。ユーザが、現在の保険情報をアップデートするとベストな保険商品をおすすめしアプリ上で販売。10万人の顧客を持ち、合計保険取扱高は$310M。
    Portag3 Ventures, White Star Capital, Coparion, Kulczyk Investments, Yabeo Capital等から調達

コンシューマー

  • Castbox (San Francisco, CA) Series B $13.5M
    自然言語処理を使ってPodcastの音声をテキストへ変換。ユーザが聞いているPodcastの内容を元に他のPodcastを提案したり、Podcastのコンテンツの検索に利用している。累積で1500万ダウンロード、DAUは180万。リテンションは50%。
    SIG China, IDG Capital Partners, Qiming Ventures, GSR Venturesから調達

マーケティング

  • Uberflip (Toronto, Canada) Series A $32M
    コンテンツマーケティングプラットホーム。AIを使ってコンテンツのレコメンデーションを行う。
    Update Partnersから調達

カメラファースト

  • Mapillary (Malmö, Skane Lan, Sweden) Series B $15M
    ユーザが撮影した写真をつなぎ合わせてストリートレベルの空間を作り出し、信号や側道、車などを自動でタグ付けする。これまでに、2.76億のイメージ、440万キロメーター分のデータが撮影された。都市開発や都市整備などで既に利用されている。
    BMW I Ventures, Samsung Catalyst Fund, NavInfo, Sequoia Capital, atomicoから調達。

写真は、Mapillaryのホームページより

  • Video++ (Shanghai, China) Series C $55.6M
    ビデオタグ付けプラットホームを提供。ビデオ内の商品やジェスチャ、人を認識して自動でタグ付けを行う。
    Yunfeng Capital, State Development & Investment Corporation, Toutoushidao Capitalから調達
     

  • Allegro.AI (Israel) ラウンド不明 $7M
    マシンビジョンに特化したディープラーニング・トレニーニング環境を提供。
    MizMaa Ventures, Robert Bosch Ventures, Samsung Catalyst, Dynamic Loop Capitalから調達

教育

  • Embibe (Bengaluru, India) PE Round $180M
    オンラインエデュケーションプラットホーム。ユーザ毎にパーソナライズされたコンテンツを提供する。
    Relianceから調達

コアAI

  • DimensionalMechanics (Bellevue, WA) Series A-2 $1.25M
    機械学習の専門家ではなくても、社内データをアップロードして、目的に沿ったカスタムAIモデルを生成してくれるツールを提供している。
    投資家不明。
     

  • GrAI Matter (Paris, France) Series A $15M
    デバイスに搭載する消費電力が少ないニューロモーフィック・チップを開発。
    iBionext, 360 Capital Partners,3T Financeから調達
     

  • iGenius (Milan, Italy) Angel Round 金額不明
    マーケティング、CRM、営業、IoTなど様々なデータに対してバーチャルアドバイザーを構築するテクノロジーを提供している。

マテリアル

  • NuMat (Skokle, IL) Series B $12.4M
    アルゴリズムを使って分子レベルで素材のリサーチを行う。発見した素材の試験、プロトタイプの製造も行う。
    OS Fund, Osage University Partners, Tin Shed Venturesから調達。

ヘルスケア

  • BenevolentAI (London, UK) シリーズ不明 $115M
    AIを使って科学的な発見を手助けする。科学実験に関わる大量のデータを分析しインサイトを提供。最初にフォーカスするエリアは創薬。投資後のバリューションは、$2.1B。
    Woodford Investment Managementから調達

リーガル

  • LawGeex (Tel Aviv, Israel) Series B $12M
    契約書の自動レビュー。企業のポリシーに合わない箇所を自動で発見してくれる。レビューにかかる時間を80%、コストを90%削減してくれる。eBay, Deloitte, Sears, Farmers Insurance, Farmers Insurance, Natixis, Lifetime Fitness等を顧客に持つ。
    Aleph, Lool Venturesから調達。

ロボティクス

  • Marble (San Francisco, CA) Series A $10M
    ラストワンマイルのデリバリーロボット。
    Tencent, Lemnos, Crunchfund, Maven Venturesから調達。

写真は、Marbleのホームページより。

ドローン

  • DroneSense (Austin, TX) 金額ステージ不明。
    パブリックセーフティにフォーカスした自動飛行が可能なドローンシステム。
    FLIR Systemsから調達。

写真は、DroneSenseのホームページより。

エンタープライズ

  • Guestfriend (New York, NY)  Seed $5M
    ホスピタリティ業界向けのチャットボット。ユーザは、レストランのメニューや予約のブッキングをチャットで行うことができる。
    Primary Venture Partners, Techstarts, betaworksから調達
     
  • Node (San Francisco, CA) Venture round $5M
    WEBから約5億の人や会社に関するデータを収集し、見込み顧客の発見を手伝う。pagerduty, outreach, conversicaなどを顧客に持つ。
    Recruit Strategic Partners, WndrCo, Aragon Capital, GingerBread Capital, Falmouth Ventures, Open Field Capitalから調達
     
  • Drift (Boston, MA) Series C $60M
    WEBサイトを訪れた顧客とチャットで会話を行い見込み客かどうかを自動でスクリーニングしてくれる。そのため、営業チームはスクリーニングに掛かる時間を極端に減らすことができる。mongoDB, Zuora, zenefitsなどが顧客。
    Sequoia Capital, CRV, General Catalystから調達
     
  • SalesHero (San Francisco, CA) Seed $4.5M
    Gmailを定期的に読み込んで、営業に関わる情報(顧客とのやりとり、ミーティングアポ、新しい連絡先、新規取引先、取引先会社情報)をSalesforceへ自動的に入力してくれる。また、過去の顧客データを元に見込み客のおすすめ機能もあり。
    Baidu Ventures, CometLabs, CherryVentures, Signals Venture Capitalから調達。

スポーツ

  • PlaySight Interactive (Tel Aviv, Israel) Series C $21M
    スポーツコートやアイススケートリンクに設置されたカメラの映像を使って、選手の動きを解析したり、ハイライトビデオを作ったりできる。テニス、バスケ、スクアッシュ、ハンドボール、バレーボール、サッカー、ホッケー、ダンス、レスリングなど25のスポーツに対応。25カ国での導入実績がある。
    Softbank Ventures Korea, CE Venturesから調達

画像は、Playsightのホームページより

ディベロッパー

  • PullRequest (Austin, TX) Series A $8M
    アルゴリズムと人によるコードレビューサービスを提供。
    Gradient Ventures, YC, Fika Ventures, Lynett Capital, Defy Partnersから調達
     

  • Applitools (San Mateo, CA) Series C $31M
    ユーザインタフェーステストの自動化サービス。
    OpenView, Sierra Ventures, Magma Venture Partners, iAngels, La Maisonから調達。
     

  • GitPrime (Durango, CO) Series A $10.5M
    Gitベースのソースコードレポジトリを解析し、チーム全体と個人の生産性をベンチマークし改善点を示唆する。
    OpenView, Data Collectiveから調達。


【買収ニュース】

  • Oracleがコンテクストベース・アドプレイスメント技術を持つGrapeshot買収

  • Goldman SachsがパーソナルファイナンスのClarity Moneyを買収。

  • Adobeがボイスアプリ開発ツールのSayspring買収

  • 中古車マーケットプレイスを運営するCarvasaが車の写真撮影向けAR技術を持つCar360を買収。

  • セールストーク解析のGong.ioがセールスインテリジェンステクノロジー会社ONDiGO買収

  • Teradyneが作業支援ロボットのMobile Industrial Robotsを買収