[Hike VC News] 進化するカメラインタフェース/進む自動運転とリテールの提携/バスケのシュートの自動分析アプリ

[Hike VC News] 進化するカメラインタフェース/進む自動運転とリテールの提携/バスケのシュートの自動分析アプリ

Hike Ventures (ハイクベンチャーズ) News Letterのバックナンバーです。
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Hike Ventures News Letter Vol.25 (8/1)

 今週は、カメラをインタフェース(スマホカメラ+コンピュータビジョンAI) 関連のプロダクトでいくつかの興味深い発表がありました。

【トピックス】

カメラファースト

  • 個人間売買の大手LetgoがRevealをリリース
    自分の家にある中古品にカメラを向けると、モノを識別し、商品のタイトルや販売予想価格などを提案。売りたい場合は、そのままポストできる。カメラを向けるだけで、中古市場での予想価格が分かるのは便利ですね。手間いらずで出品できるので、出品数も増えそうです。

  • Amazonがネジなどの部品を画像で検索できるPart Finderをリリース
    2016年にAmazonが買収したPartpicの機能をリリース。現在100種類のネジに対応。探しているネジの写真といくつかの質問に回答すると、該当するネジを探してくれる。ネジのようなパーツは、検索キーワードが思い浮かばない商品カテゴリ。画像で検索できるのはとっても便利ですね。
  • スキンケアブランドのOlayがコンピュータビジョンを使ったSkin Advisorでコンバージョンを2倍
    Skin Advisorは、セルフィーをアップロードし、いくつかの質問に回答すると最適なスキンケア商品(もしくは商品の組み合わせ)をオススメしてくれる。リリースしてから2年間で、400万人のユーザが利用。自宅で、カウンセラーと同等のサービスを受けられて商品を買えるのは便利です。

  • Home Courtを提供するNex TeamがSeed資金を調達 (詳細は、以下の資金調達ニュースをご覧ください)

どの事例をとっても、画像認識ならではの機能実装で、ユーザの利便性と入力のスピードを上げて自社プロダクトを利用する理由をユーザに与えています。1年前から画像検索に注力しているPinterestでは、月間6億のイメージ検索が行われており、年間増加率が2.4倍となっています。

モビリティ

  • 日野自動車がハイブリッド・ディーゼルにAIを搭載
    GPSとジャイロセンサーからの情報を使いパワーシステムの効率化により低燃費を実現する。2019年半ばに大型トラックに搭載予定
     

  • Waymoがリテールとのアリゾナ州での連携を強化
    Waymoは、Walmartの顧客の送迎サービスのパイロットプログラムをPhoenixで開始することを発表。さらに、同社は、Ahwatukee Foothills Twone Center(ショッピングセンター)、Element Hotelなどとの同様のパイロットプログラムも発表。またメンテナンスショップのAutoNation, Avis Budgetなど既存のパートナーとの連携も強化し、メンテナンス中の顧客やレンタカーを返したあとのラストマイルの乗車に活用する。Hitch HealthとLyftによるパイロットプログラムによると、Hitch Healthが、無料で提供したLyftの配車サービスにより、ノーショー(予約した患者が連絡なしで来院しないこと)を27%削減し、年間で27万ドルの診療報酬アップ、300%近いROIがあったと報告されている。Lyftの場合は、自動運転車ではないが、リテールが提供する無料もしくはディスカウントされたオンディマンド配車サービスは、経済合理性が確認されつつあり、運用コストが人が運転するよりも下がると期待されている自動運転タクシーサービスでのユースケースとしても有望視されている。


【調達ニュース】

フィンテック

  • Even.com (Oakland, CA) Series B $40M
    ユーザの消費行動から将来のキャッシュフローを予測し、支出管理のサポートを行う。Walmartなどの雇用主を通じてアカウントを作成する場合は、無料。個人ユーザの場合は、$2.99/月。無利息のローンも提供。Acornのような自動貯蓄も今後リリース予定。20万人のユーザが現在利用中。
    Khosla Ventures等から調達

 
写真は、Even.comのホームページから。

写真は、Even.comのホームページから。

 
  • Points (Singapore) Seed $8M
    現在与信情報を持っていない個人ユーザのための与信情報を提供するプラットホームをBlockchain + AIで構築。自社で開発した、与信アルゴリズムに加えて、金融機関、IT企業、個人から与信判定に有用な情報を安全に共有できるインフラを提供。情報提供者には、暗号通貨を対価として提供。
    DHVC, Chrubic Ventures, Ontology Foundation, Nest.Bio Ventures等から調達
     
  • LoanSnap (San Francisco, CA) Series A $8M
    ユーザの現在の資金繰りをトータルに考慮してベストな住宅ローン(新規、借り換え)を提案。例えば、高金利のクレジットカードの借金を低金利の住宅ローンへ移してトータルの金利支出を抑える等の提案が可能。
    True Ventures, Baseline Ventures, Virgin Group, Core Innovation Partners, Liquid 2 Ventures, OVO Fund, Transmedia Venturesから調達

ヘルスケア

  • Verge Genomics (San Francisco, CA) Series A $32M
    神経変性病に対する創薬テクノロジー。
    DFJ, WuXi Apptec, ALS Investment Fund, Agent Capital, OS Fundから調達
     

  • K Health (New York, NY) Venture Round $12.5M
    アプリ上でユーザに症状についてチャット形式で回答してもらい、同じような症状の他のユーザがお医者さんからどのように診断・治療を受けたかを教えてくれる。また主治医のネットワーキングもしており、同日にお医者さんとのアポイントを取ることも可能。
    Comcast Ventures, Bessemer Venture Partners, Mangrove Capital Partnersから調達
     

  • Viz.ai (San Francisco, CA) Series A $21M
    CT血管造影イメージから大血管閉塞を自動的に検知する。FDA認定取得済み。
    Kleiner Perkins, GVから調達

 
画像は、Viz.aiのホームページより。

画像は、Viz.aiのホームページより。

 
  • Healx (Cambridge, UK) Series A $10M
    奇病向け既存薬の活用、薬成分のコンビネーションによる効果を予測し、創薬に役立てる。
    Balderton Capital, Amadeus Capital Partners等から調達
     

  • Snap40 (Edinburgh, UK) Seed $8M
    患者の院内の継続的モニタリングや、退院後のリモートモニタリングで利用可能なアウェアラブルデバイス。酸素飽和度、呼吸数、脈拍数、体温、動きおよび姿勢などの情報を2秒単位で取得し、クラウド上で分析し、情報を予測する。
    ADV, MMC Venturesから調達

 
写真は、Snap40のホームページより。

写真は、Snap40のホームページより。

 

マーケティング

  • SessionM (Boston, MA) Series E $23.8M
    リテール、モバイル、WEBサイトからの情報を元にユーザのプロファイルを構築し、セグメント化。各ユーザへパーソナライズしたロイヤリティ、リワードなどのマーケティング活動を行い顧客との関係を強化するのをサポートする。
    Salesforce Ventures, Causeway Media Partners, CRV, General Atlantic, Highland Capital, Kleiner Perkins Caufield & Byersから調達

スポーツ

  • Nex Team (CA) Seed $4M
    バスケットのシュート練習を分析するアプリ Home Court を提供。プレイヤーは、アプリのカメラの前でシュートの練習をすると、シュートの位置、確率などをトラッキングしてくれる。チームで利用することも可能。
    Mark Cuban, Steve Nash, Jeremy Lin等から調達

カメラファースト

  • Ursa Space Systems (Ithaca, NY) Venture Round $5.7M
    衛星写真の分析プラットホーム。
    RRE Ventures, S&P Global, Paladin Capital Groupから調達
     

  • TVision Insights (Cambridge, MA) Series A $11.5M
    コンピュータビジョンを使って、実際にユーザがテレビを’見てる’かを計測し、Attention Indexを作る。Mcdonald, ESPN, Nestle, Turnerなどが顧客。
    Accomplice, Jump Capitalから調達
     

  • Swim.ai (San Jose, CA) Series B $10M
    エッジサイドで稼働するAIプラットホームを開発。
    Cambridge Innovation Capital, Arm, Silver Creek Ventures, harris Barton Asset Managementから調達。
     

  • BinaryVR (Burlingame, CA) Series A $4.5M
    コンピュータビジョンで、表情や口の動きをトラッキングし、アバターなどに利用。
    Atinum Investment, KT Investment, Pearl Abyss, Kakao Venturesから調達

 
写真は、BinaryVRのホームページより。

写真は、BinaryVRのホームページより。

 
  • Zorroa (Berkeley, CA)
    社内サーバーやクラウドに保存されているイメージ、ビデオ、ドキュメント内のイメージの分析・自動タギングを行い整理し、キーワードや類似イメージ検索などを行いやすくする。
    Gradient Venturesから調達
     
  • Scandit (Zurich, Switzerland) Series B $30M
    高速、高精度のバーコードスキャンSDKを提供。スマホ、Drone、Hololensなどに対応可能。
    GV, NGP Capital等から調達
 
写真は、Scanditのホームページより。

写真は、Scanditのホームページより。

 
  • AnyVision (Tel Aviv, Israel) Series A $28M
    顔、ジェスチャー、オブジェクト認識テクノロジー。セキュリティアプリの他、顔認証、リテールなどでの活用も可能。GPUあたり30ビデオストリームに対応可能で、スケーラブル。現在10万台のカメラからのビデオを解析している。
    Bosch等から調達
     
  • Megvii (Beijing, China) Series D $600M以上
    顔認識テクノロジーFace++を提供。
    Alibaba, Boyu Capital等から調達
     
  • Light (Palo Alto, CA)  Series D $121M
    16の小型レンズとセンサー群、そしてコンピュータビジョンを使い52Mピクセルの高精細カメラの小型化を可能にした。今後スマートフォンメーカーへのOEMも行い、今年末にLight社のテクノロジーを搭載したカメラをリリース予定。
    Softbank Vision Fund, Leica Camera AGから調達
 
写真は、Light社のホームページより。

写真は、Light社のホームページより。

 

IOT

  • Tuya (Hangzhou, China) Series C $200M
    IoTプラットホーム。メーカーに対してコネクティビティと分析ツールを提供。また、マーケットプレイスも提供しており、Tuyaに対応した11,000製品がリストアップされており、購買やパートナーシップのために連絡を取ることができるようになっている。
    Future Fund, NEA, China Broadband Capital, CICC Global Bridge Capital等から調達

リテール

  • Standard Cognition (San Francisco, CA) Seed $5.5M
    店舗をAmazon Go化(無人キャッシャー)にするテクノロジーを提供。
    CRVから調達

モビリティ

  • Didi Chuxing (Beijing, China) Corporate Round $500M
    ライドシェアアプリ。Booking Holdingsが要するBooking.com, Agodaを始め、Opentable, Kayak, Pricelineなどの旅行アプリからDidiの配車リクエストができるようにする。
    Booking Holdingsから調達
     

  • Embark (San Francisco, CA) Series B $30M
    大型トラックの高速道路での自動走行に特化したテクノロジーを開発。現在Electrolux, Ryderらとドライバーが乗車した状態での荷物運搬のテスト走行を行っている。
    Sequoia Capitalから調達
     

  • Wayz.ai (Shanghai, China) Series A $80M
    自動運転車向けのマップとローカライズテクノロジーを提供。
    投資家は非公開。

保険

  • Metromile (San Francisco, CA) Series E $90M
    走行距離に応じた自動車保険を提供。
    Tokio Marine Holdings, Intact Financial, NEAから調達

インダストリー

  • Indus.ai (San Francisco, CA) Seed $3.7M
    ビデオカメラの映像から工事現場の進捗状況、機械の稼働、安全ルール準拠(コンプライアンス)などを分析する。
    UP2398等から調達。

 
写真は、Indus.aiのホームページから。

写真は、Indus.aiのホームページから。

 
  • Seeq (Seattle, WA) Series B $23M
    OSIsoft PI System, Honeywell社のUniformance PHD, Emerson DeltaV, Ovationなどのシステムからデータを取得し、製造工程プロセスデータに分析を行う。オイル・ガス、飲料・食品、鉄鋼、採掘業界などに100社以上の顧客を持つ。
    Altira Group, Chevron, Siemensから調達

エンタープライズ

  • Yitu Technology (Shanghai, China) Series D $100
    コンピュータビジョン技術に特化。セキュリティ、スマートシティ、ヘルスケアなどに応用。
    China Industrial Asset Management, Sequoia Capital, hillhouse Capital Group, Banyan Capitalから調達
     

  • R4 Technologies (Ridgefield, Connecticut) Series B $20M
    企業内のデータを使って精度の高いセールスフォーキャストを行う。20社のFortune500企業を顧客に持つ。
    Pilot Growth Equityから調達
     

  • Advance.ai (Beijing, China) Series B $50M
    ローン詐欺検知やKYC(Know Your Customer)プロダクトを提供。Go-Jek, Washare, Axiata Groupなどが顧客。
    Vision Capital, GSR Ventures等から調達
     

  • Diveplance (Raleigh, NC) Seed $3.5M
    現状のブラックボックスのAIシステムではなく、なぜAIが特定の答えに至ったかを人間が理解できる’責任あるAI’を開発。
    Angelから調達
     

  • Cogito (Boston, MA) Series C $37M
    カスタマーサポートへの顧客からの通話の内容や顧客の感情を理解し、顧客の満足度を上げるにはどのような対応をすべきかをリアルタイムでサポートする。
    Goldman Sachs, Salesforce Ventures, OpenView Venture Partnersから調達
     

  • DefinedCrowd (Seattle, CA) Series A $11M
    機械学習と人間(45,000人をネットワーク)を使ってAIトレーニングプラットホームを提供。スピーチ、自然言語、画像に特化し、46言語に対応している。


【買収ニュース】

  • SalesforceがマーケティングインテリジェンスプラットホームのDatoramaを買収

  • Bossa Nova Roboticsが画像識技術のHawXeyeを買収