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[Hike VC News] 自動運転ロボットによるデリバリーが続々/世界中の農家をサポートするAIスタートアップへ投資


Hike Ventures (ハイクベンチャーズ) News Letterのバックナンバーです。
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Hike Ventures NEWSLETTER Vol.35 (1/7)


あけましておめでとうございます! 本年もよろしくお願いいたします。

年末から世界の株式市場は不安定な状況が続いておりますが、テック業界では今週からラスベガスで開催されるCESやサンフランシスコ開催のJP Morganヘルスケアイベントが始まり年始から盛り上がりを見せています。さらに、今年は、Uber, Lyft, Airbnb, Peloton, Palantir, Slackなどの大型IPOが期待されています。その一方で、AppleのiPhoneの成長ストップや中国の巨大ネット企業の株安、プライバシー問題や政府からの規制強化の兆しなどもあり、世界のネット業界の勢力図が変わり始める年になるかもしれません。

去年はファンド(Hike Ventures Fund I)の立ち上げから始まり、いろんな方々に助けて頂き、6社のスタートアップへの投資を行うまで進捗することができました。今年はファンドのクロージング、そして投資先の発掘と支援をさらに加速させて行きたいと思います!

去年末Green-eye Technologyへの投資を実行しました。これまでは、畑にどういった種類の雑草がどこに生えているかを正確に把握するのが難しいため、畑全体に対して万能除草剤(いろんな雑草に効く)を定期的に散布することが一般的になっていました。そのため、大量の除草剤が無駄になっているばかりではなく、除草剤に対して耐性を持った品種の発生を許す結果となっています。Green-eyeのテクノロジーは、雑草の種類と位置をコンピュータービジョンを使って正確に把握し、必要な除草剤だけを散布するテクノロジーを開発しています。農業のような非IT産業の問題を解決しているAIスタートアップはとても魅力的です。多くの場合ネットの巨人が持っていないようなデータを独自の方法で取得もしくは作成することができます。今年も様々な産業の課題解決しているスタートアップを発掘していきます!

【トピックス】

ヘルスケア

  • 大阪大学の研究チームが異なるがん細胞を区別できるAIを開発
    同チームは、顕微鏡のがん細胞映像からX線耐性があるかないか?人間のがん細胞かねずみのがん細胞かを96%の精度で区別できるAIを開発。今後様々ながん細胞の種別を判別できるようになれば、例えば血液から採取したがん細胞からがんの種類を検知する診断等をこれまでよりも早く行うことができる。

カメラファースト

  • Standard Cyborgが3Dスキャンアプリをリリース
    アプリの名前はCapture。カメラに映るオブジェクトの3Dスキャンを行ってくれる。スキャンしたオブジェクトは、エクスポートして友達とシェアしたり編集することが可能。Standard Cyborg社では、ディベロッパー向けのAPIも公開している。(アプリを使うには、深度センサー付きのiPhoneかiPadが必要。)

イメージは、itunesのCaptureのページより

モビリティ

  • Zooxがカリフォルニア州での自動運転車による移動サービスパイロットプログラムへの許可を得る
    現在60社以上がカリフォルニア州にて、自動運転車のテストの許可を得ているが、今回の乗客を搭乗させるパイロットの認可を受けたのはZooxが最初。パイロット期間中は、乗客に課金してはならず、ドライバーが運転席に座っている必要がある。

  • Nuroが自社開発の自動運転車によるデリバリーサービスを開始
    アリゾナ州Scottdaleの1つの郵便番号内(Google Mapで調べたらこれくらいの大きさでした)でサービスを開始。これまでの実験ではToyota Priusを利用していたが、自社のデリバリー特化型の車へ変更した。

イメージは、Nuro社のホームページより

  • 自動運転車のCruiseがDoorDashと組んでフードデリバリーへ参入
    まずはサンフランシスコでテストを開始。2019年の早いタイミングで開始予定。DoorDash、Cruise両社ともSoftbank Vision Fundからの出資を受けているのは興味深いですね。

  • JD.comがロボットによる配達を開始
    フルフィルメントセンターから5km以内の顧客向けのサービス。長沙市のセンターでは20台のロボットが11月から稼働しており、1日あたり2000個の荷物に対応可能とのこと。Nikkei Asian Reviewによると、JD.comは9月には、新鮮な上海蟹🦀をドローンで3分以内(10km以内)で届けるサービスも行なっている。

  • Pepsiがロボットによるスナックデリバリーを開始
    同社は、robby technologyと組んで、カリフォルニア州パシフィック大学でロボットによる同社製品の販売・デリバリーを行う。ユーザが、スマホでオーダーするとロボットが商品を届けてくれる。

イメージは、The Verge 'PepsiCo is rolling out a fleet of robots to bring snacks to college students'より

気になるニュース

  • 2018年版のAI Indexがリリースされました
    AI関連の注目度や発展度合いをベンチマークしているAI Indexの2018年版がリリースされました。各国のリサーチアプトプット状況や、教育、メディアや企業からの注目度、テクノロジーの進化を定量的に計測していてトレンドを知るのに役立ちます。日本語版も後日発表される予定です。


【調達ニュース】

モビリティサービス・オートモーティブ

  • Sea Machines Robotics (Boston, MA) Series A $10M
    船を自動操縦するキットを開発。既存の船に装着することができる。
    Accomplice VC, Toyota AI Ventures, Bruswick Corp, TechNexus Venture Collaborative, Eniac Ventures, NextGen VPから調達。

写真は、Sea Machines Roboticsのホームページより

  • Cambridge Mobile Telematics (Cambridge, MA)  Venture Round $500M
    スマホのセンサーとODB IIデバイス(オプション)から運転状況のデータを収集しドライバーの運転行動を分析。分析した結果をユーザへフィードバックし安全運転に役立ててもらう。保険会社等へホワイトレーベルで提供している。
    Softbank Vision Fundより調達

写真は、Cambridge Mobile Telematicsのホームページより。

  • Baraja (Sydney, Australia) Series A $32M
    スペクトルスキャンLiDARを開発。回転部位がないので耐久性に優れている。
    Sequoia China, CSIRO Innovation Fundから調達

ヘルスケア

  • Sophia Genetics (Lausanne, Switzerland) Series E $77M
    病院間の知識共有とAIを使い患者の遺伝子データの解析を容易にする。現在注力しているのは、がん、代謝障害、小児科、心臓病。77カ国、850の病院で利用され、30万人の患者の診察に利用された。
    Generation Investment Management, Alychlo, Balderton Capital, Idinvest Partnersから調達

  • Spring Discovery (Palo Alto, CA) Series A $18M
    老化の進行を遅らせる治療方法を見つけることがミッション。従来時間のかかっていた老化に対する治療の実験を、生物学と機械学習を組み合わせることによってスピードアップする。
    First Round, General Catalyst, Felicia Ventures, Village Global, SciFi VC, The Longevity Fund, Caffeinated Capital, WhenFund, Susa Venturesから調達

カメラファースト

  • Synapse Technology (Palo Alto, CA) Seed $6M
    セキュリティチェックポイントのX線写真から危険な物体を自動で検出する。
    Founders Fund, 8VC, Village Globalから調達

写真は、Synapse Technologyのホームページより

フィンテック

  • 4Paradigm (Beijing, China) Series C $150M
    中国の金融機関向けに詐欺行為検知や顧客分析等のAIツールを提供している。今回の調達時のバリューションは$1.2B。今回の資金調達を受けて同社のアルゴリズムを動かすAIチップの開発にも乗り出す。4Paradigmは、3年前にファーウェイ・テクノロジーによって設立された。
    Sequoia Capital China, Three Gorges Capital, Bank of Communications, Agricultural Bank of China等から調達

みまもり

  • Cherry Home (Cupertino, CA ) Series A $5.2M
    コンピュータビジョンを使って室内の人の動きのスケルトンを構築し、異常事態の検知(咳込んでいる、倒れている等)を自動で行う。顔認識で部屋の中の人物の特定も可能。
    GSR Venturesから調達。 

Eコマース

  • Price f(x) (Pfaffenhofen An Der Glonn, Germany) Series B $28.5M
    B2C, B2B Eコマース向けの価格最適化プロダクトを提供。
    Digital + Partners, Bain & Company, Credo Ventures, Talis Capitalから調達

イメージは、Samsaraのホームページより。

  • G7(Beijing, China) Private Equity Round $320M
    運送会社向けにドライバーのモニタリング、ルート最適化などを支援するプロダクトを提供。トラックにG7のハードウェアを取り付けてデータの収集を行う。現在は主に中国において展開。
    HOPU Investment Management Company, Tencent Holdings, Total Energy Ventures等から調達

画像は、G7のホームページより

 インシュアテック

  • Zesty (Oakland, CA) Series A $13M
    家屋の損害保険の見積もりの計算を自動化。衛星・航空・ドローンからの写真、物件情報、区画情報、ガス電気代、天気、地勢、周辺の木や森林、公共交通機関などの情報から見積もり額を計算する。クレームの処理も災害後の衛星写真等を使いリモートで行うことができる。
    Blamar, Plug and Playから調達

セキュリティ

  • Cybeats (Aurora, Canada) Seed $3M
    IoT向けのサイバーセキュリティソリューションの提供。IoTとクラウド間の異常なトラフィックを自動で検知する。
    Ripple Ventures, iNovia Capital, ScaleX Ventures, Maple Leaf Angels, MaRS Investment Accelerator Fundから調達

  • Securly (San Jose, CA) Series B $16M
    学校内のセキュリティWiFi環境をクラウドで提供。コンテンツのフィルタリングのみならず、いじめに関連するコミュニケーションを自動検知したりする。現在1万校、1000万人の生徒が利用している。
    Defy Partners, Owl Venturesから調達

ロボティクス

  • Elementary Robotics (Pasadena, CA) Seed $3.6M
    ステルスモードのスタートアップ。安価で人と協力して働くロボットを開発している。
    Fika Ventures, Fathom Capital, Osage University Partners, Riot.vc, Stage Venture Partners, Rewired, Ubiquity Ventures, Toyota AI Venturesから調達

  • RightHand Robotics (Somerville, MA) Series B $23M
    フルフィルメントセンターの自動化のためのロボットを開発。
    Menlo Ventures, GV, Matrix Partners, Playground Globalから調達

イメージは、Righthand RoboticsのTwitterより

  • Temi (New York, NY) Series B $21M
    部屋の中を動き回ることができるパーソナルロボットを開発。一台$1499(現在注文可能)。
    Generali Investments Europe, Ogawa Health Care International, John Wu (元Alibaba CTO)等から調達

イメージは、Temiのホームページより。

マーケティング

  • Sprout Social (Chicago, IL) Series B $40.5M
    ソーシャルネットワーク上のコミュニケーション管理ツールを提供。センチメント分析、やボットでAIを利用している。全世界で25,000の企業が利用している。
    Future Fund, Goldman Sachs, NEAから調達

エンタープライズ

  • ExecVision (Arlington, VA) Series A $5.4M
    営業、カスタマーサポート、カスタマーサクセススタッフと顧客の会話を分析、各スタッフのパフォーマンスを上げるためにアドバイスを行う。ondeck, workday, Doctor.comなどを顧客に持つ。
    Edison Partnersから調達

  • Dataiku (New York, NY) Series C $101M
    様々なソースからのデータの集積、スキーマの自動認識、レポート生成、機械学習モデルの適用などが簡単に行えるデータプラットホームを提供。
    Iconiq Capital, Alven Capital, Battery Ventures, Dawn Capital, FirstMark Capitalから調達

AIチップ

  • LightOn (Paris, France) Seed $3.3M
    機械学習の処理速度を向上させるオプティカル技術を開発。Anorak Ventures, Quantonationから調達