Mikihiro Yasuda

AIプロジェクトのハードル

Mikihiro Yasuda
AIプロジェクトのハードル

 

世界規模のデータサイエンティストのコミュニティKaggleが自社サイトのユーザに対して行ったアンケートの結果を「The State of Data Science & Machine Learning 2017」と題して公開しました


職場での課題は何ですか?という質問に対して、全業種、全会社規模で最も選ばれた(約半分)のは、”Dirty data”でした。つまり、データが”汚い”ので、そのままでは使うことができず、データ項目の意味を理解したり、綺麗にしたりしないと、他のデータと紐付けて解析することはおろか、そのままでは、コンピュータに読み込ませることもできない状態のデータが大量にある状態ということですね。例えると、Excelに読み込ませるのに苦労する大量のCSVファイルのような。。。


その後に続くのは、データサイエンティスト人材が不足している点、さらには会社からのサポートや、何をして欲しいか明確なアウトプットイメージが無いとか、解析しても誰も使ってくれないといった会社からのサポートの欠如に対して課題感を持っている人が多数いることが分かります。以上は、データサイエンティスト側からの意見ですが、調査会社のVanson Bourneが、世界中の大企業260社に対して行った調査によると、80%の企業がAI関連投資を開始しており、1/3の企業は、今後3年以内にもっとAIに投資をすると回答しています。こちらでも、AI導入の課題について調査されています。企業側から見ても、人材の不足(34%)とIT基盤が十分でない(40%)ことがあげられています。


人材不足とデータを含めたIT基盤の整ってい無いというは、現場のデータサイエンティストと会社のマネージメント両方が感じている課題であり、これらをスマートに解決できる企業には大きなチャンスがありそうです。


最近行われたAI関係のカンファレンスにて、AIの権威 Andrew Ngは、機械学習や画像・音声認識といったAI関連のリサーチペーパーの数が2012年から急増していることに対して、研究ばっかりしていないで、AIを使ってユーザのためになるものを早く作り始めようと呼びかけました。Ng氏も、AI人材の不足を問題視しており、Deeplearning.aiという会社を立ち上げ、オンラインでのDeep Learningコースの提供を開始しています。


実用化が始まったAI。はやる気持ちもありつつ、人材の獲得、データ整備などなど難解な課題を解決する強い意思を持って立ち向かう必要がありそうです。