Mikihiro Yasuda

[Hike VC News] Tiktokはなぜ海を越えるか/ポートフォリオニュース

Mikihiro Yasuda
[Hike VC News] Tiktokはなぜ海を越えるか/ポートフォリオニュース

Hike Ventures (ハイクベンチャーズ) News Letterのバックナンバーです。
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Tiktokはなぜ海を越えるか

余談ですが、ことのころ世間を騒がせているTiktokに関して興味深いBlog記事('Tiktok and the Sorting Hat' by Eugene Wei)がありましたので個人的に気になったポイントを共有します。同ブログによると、中国で開発されたTiktokが米国、インド、ヨーロッパなど文化が違う外国でこんなに人気がある理由の1つがアルゴリズム(hyper-responsive algorithm)であるとしています。(Tiktokも自社のアルゴリズムの概要を公開しています。)

Tiktokは、例えばソーシャルネットワークのように事前にユーザの属性や友人関係を知らなくてもユーザにいくつかビデオを見せ反応を知ることだけで、ユーザの好みを抽象化した Interest Graphを構築し、好みに合ったショートビデオを次から次へと見せることができます。ブログ筆者のWei氏によると、Tiktokのアプローチは、FacebookのようなSocial Graphを使った場合や、Twitterのような興味のある人をフォローするようなやり方よりもより超短期間且つ適格にユーザの関心のあるコンテンツを見せることができるとしています。

ブログの最後には、Tencentから$50M資金調達をしたNewsdogの事例が紹介されています。同社には、ヒンディー語を理解できる人が誰一人いないにも関わらずインド市場向けのニュースアプリをhyper-responsive algorithmを使って開発しています。

弊社が投資しているElement AIの共同創業者 Philippe Beaudoin が始めたWaverlyというスタートアップは、コンテンツキュレーションの問題を解決するためにさらに異なるプローチを開発しています。同社も、ソーシャルネットワークの友人関係、Like、コメントなどは、ユーザが読みたいニュースやブログのお勧めに使うには正しいシグナルでは無いという前提に立っています。それに変わるアルゴリズムとして、Empathtic AI (共感AI)を提案しています。

まだアプリはローンチ前ですが、百聞は一見如かずと申しますので、アプリがローンチしましたらお知らせします!

ウェブ検索では、GoogleがPageRankアルゴリズムで天下をとりましたが、コンテンツのキュレーション分野で、アルゴリズムによって今市場が大きく変わっていくのを感じます。

ポートフォリオニュース

  • 病理AIを提供しているメドメインがシリーズAの資金調達を完了。Hike Venturesにてお手伝いしたSPV(Special Purpose Vehicle)を活用した資金調達に関する紹介記事が掲載されました。(Diamond SignalTechcrunch Japan

  • FleetOpsの資金調達と事業に関する詳細な記事が掲載されました。
    FleetOpsは、小規模なプレイヤーが多数存在し、データの共有が進まなかった運送業界において、トラックと荷物のデータをリアルタイムにマッチングするAIマーケットプレイスを提供しています。

  • Botpressが、オープンソースのチャットボットフレームワークの新バージョン ’Albert' のウェビナーを公開。
    9月上旬にリリース予定です。日本語もサポートします!社内外のコミュニケーションに活用できるチャットボットをさらに簡単に作成できるようになります。

  • コネクテッドカー向け故障予測SaaSを提供するPitstopが、大手テレマティクス企業 Geotabとの提携を発表。また、FleetCompleteとも商用車の故障検知プロジェクトを発表
    Pitstopの予測に基づき事前整備を行うことによって、予期せぬ故障による機会損失を防ぐことができます。

  • Optinaが、Alzheimer Center Amsterdamとの共同臨床研究を発表
    同研究では、脳内のβアミロイドの状態がPETにより測定されている100名の被験者に対し、Optinaが開発したハイパースペクトル網膜カメラの有効性を検証します。